秋きぬと・・・。

 

 今日から9月に入りました。一年の四分の三が経過したわけですが、そろそろ一年のしめくくりを

考えるのもいいでしょうね。例年一念を顧みれば己の拙さと怠慢によって、すべきことも十分に

為し得ず、ッ悔やまれることが多いです。

早くも秋らしい静かな大気に包まれる今日この頃ではあります。そんなときは「古今和歌集」

などを開いて、秋の詩を拾うのもこの季節の一楽ではありましょう。そこで、三首ほど

紹介してみましょう。

   秋立日によめる        藤原敏行朝臣

・ 秋きぬと 目にはさやかに 見えねども 風のおとにぞ おどろかれぬる

   よみびとしらず

・このまより もりくる月の 影みれば こころづくしの 秋はきにけり

  これさだのみこの家の歌合によめる     大江千里

・月みれば ちぢに物こそ悲しけれ 我が身ひとつの 秋にはあらねど