「山窓功課」

『山窓功課』は但馬聖人といまでも慕われている幕末の儒者池田草庵先生の日記です。

ご自身が35歳になってから亡くなる年までの32年間もの日記です。それを読むと先生の
日常生活の様子がよくわかります。厳しくご自身を律しながら、学問に励む毎日はそれこそ

十年一日のごとく、規則正しい学者・教育者としての姿が思われるのです。読書・黙坐それに
塾生の指導が中心ですが、よく黙坐をされています。禅僧のように早朝や夜間に線香を

くゆらせながら、一本二本ときには三本四本もじっと静坐をしているんです。わんぱくざかりの
塾生に反省をうながすさいにも、この黙坐は実行されたのでした。悪さをした少年が本心から

改心するまで、ご自身も塾生と同じく何時間でも黙坐をされたそうです。ややもすれば、子供の失敗を見つけた親
はすぐにその失敗を糾弾してあやまらせるのでしょうが、先生はいつも黙坐をするのでした。

こうした日常をみると先生は生来求道的な人物だったことがよくわかります。先生は十代にはお寺の
小僧生活をしておりましたが、儒学をきわめたい一心で恩師の元を去ってしまった経験を持って
います。

教師は聖職である。その言葉現代ではもう死語になってしまったようですが、、草庵先生のような教育の
仕方がどれほど大事で子供たちへのよき影響を与えているのかが伺われるのです。

いまでも生きている草庵先生の教え!