「貞祥寺」拝登のこと

貞祥寺のことを知ったのはおそらく「澤木興道全集」全19巻を読んだ大学時代だったのか
もしれないが、しっかりと記憶に刻まれたのは弟子丸泰仙老師の著作を読んだころだと
思う。突然のお寺訪問にもかかわらず丁寧に伽藍の案内をしてくださった副住職さんには
感謝しています。弟子丸老師のお墓はこちらにあり、供養しているとか。

澤木老師のお弟子にはたいへんユニ-クな弟子がいます。”宿無し興道”の異名を持った
老師の下、内山興正、酒井得元、横山祖道そして弟子丸泰仙などなど・・・。

七堂伽藍を備えた道場がこの地方にあるなんて想像していませんでした。老杉とケヤキの
大木のたたづまいには圧倒されてしまいました。時代を経て受け継がれてきた禅の伝統が
いまだに現前している。そんな強烈な印象を持ったのでした。

昭和10年代当時に雲水たちが坐禅に骨折っていた坐禅堂(僧堂)正面には「枯木堂」の
大きな横額がありました。月舟宗胡禅師の雄渾な筆さばきです。いいものを見せていただ
きました。やはり、実際にこうして訪問してみないとこうした立派な宝物には出会えないも
のだと痛感じました。

本堂内には澤木老師「莫妄想」や少林屈開山飯田?隠老師の書などの眼福を得る
ことができました。禅僧の書は書家とは一線を画した良さがあるので、こうした名匠の書を
拝見できるのは嬉しい限りです。

境内の苔がこの歴史ある寺の境内の美しさを一層荘厳にしてくれていました。佐久以外
の方にもぜひ紹介したいです。それに三重塔などもあり十分に時間をとって境内を散歩
することができました。在りし日の佐久地方の禅界のことなどいろいろと想像しながら
散策を楽しみました。

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