短冊の文字と心の不思議な関係

短冊の文字と心の不思議な関係

医王寺では通販でオリジナルの書を手書きで書かせていただくこともあります。禅の教えなどを書かせていただくことも多いですが、実は書道で書かれる文字と人の心には深い結びつきがあるものです。

書で行う精神統一

短冊のような小さなものでも、心を込めて書かれた文字は眼前に迫ってくるような迫力があります。
何か集中したい時、心を静めたい時には人それぞれ様々な方法がありますが、書道もその1つです。
書の道を通して芸術性の追求や深い精神統一ができます。最近は若い方や海外の方でも書道を趣味とする方が増えてきています。

文字は人となりを表す

芸術の世界だけでなく、科学の分野においても文字と心の関係を追及する分野があります。
いわゆる筆跡心理学と呼ばれる学問の領域で、警察の捜査でも用いられることがあるそうです。
文字の入り方や留め・はね、文字の角度などから、文字を書いた人物の性格や書き記した時の精神状態などを分析するというものです。「文字には人となりが出る」と良く言われていますが、科学的に検証が重ねられている言葉でもあります。

言葉は大切にされてきた

当然のことですが、短冊には良いベクトルの言葉や仏教にまつわるありがたい教えが書き記されます。
そこには私たちの心のどこかに「言葉には力がある」という考えがあるのではないでしょうか。
例えば、日常的な場面でも受験生がいらっしゃるご家庭では「落ちる・滑る」という言葉がタブーとされますし、結婚式のギフトでも「切る・別れる」という言葉を連想させる刃物は敬遠されます。

逆に言えば、短冊に座右の銘や美しいと感じられる言葉を書き記すという行為には、その言葉が持っている力を手に入れたいという願いが込められているのかもしれません。書道が精神を統一するための手法となっている理由には、文字と心が深くつながっている背景があるからではないでしょうか。短冊に記された文字を見て、文字や言葉が持つ力に触れてみてください。