悟由禅師の教え

悟由禅師の教え

今月は栗東寺(大阪市)坐禅会の指導に行く日。そこで、悟由禅師の偈頌を
紹介しました。

 少壮光陰易放過   少壮ノ光陰ハ放過シ易(やす)シ

 人須学道玉須磨  人須ラク道ヲ学ビ玉(ぎょく)を磨(ま)スベシ

衆生先導任尤重   衆生(しゅじょう)先導ノ任尤モ重シ

莫悔他時奈老何   悔ユルコト莫レ他時老ユルヲ奈何(いかん)セン

和尚となれば修行することが第一番の仕事であるが、ややもすると若い時分には
外の事に興味が移ってしまい本筋の修行に骨を折ることを忘れてしまいがちである。

お互いはそうあってはならない。玉という素晴らしい宝を持っていてもそれを磨く
という努力を惜しむようなことがあってはならない。昔から「玉磨かざれば光なし」
といっているではないか。

まして、雲水修行している求道者としての諸君はいづれ修行を終えると檀信徒の
教化に専心するという重大な責務を負っているのである。

うかうかしていているうちに時が過ぎて、老年になってから「若い時分にもっと
真剣に道を求めておればなあ」なんて嘆くような、そんな後悔をしないように。

世間でも「若くして学べば壮にして為すあり、壮にして学べば老いて衰えず。老いて
学べば死すとも朽ちず」という名言がありますね。

大本山永平寺重興第六十四世貫主さまの慈悲あふれる法語ですね。何度も口ずさみ
たくなる七言絶句です。これは出家者に対しての教えですが、一般の人達にとっても
大切な教訓でなないでしょうか。

悟由禅師の御生涯