奈良に行くならぜひともこの寺に参拝したい。ということで団参の日程にいれました。
明治を代表する文豪幸田露伴ゆかりの三重塔がある寺です。娘の作家幸田文が一年間
此の地に居を移したという因縁の三重塔です。父露伴の代名詞『五重塔』の印税で
育てられたも同然と、はばかりなく話されたという文女史畢生の誓願が込められた建造物。
宮大工の棟梁西岡常一との交流などは文女史の文章に詳しく述べられています。露伴先生
は鴎外や漱石ほど一般的ではない文豪ですが、文語調の和漢混合文は露伴の独壇場です。
今日まで露伴の美麗な文章を超える作家はでていないし、これからも現れないでしょう。
まさに百年に一人とも言われる文人です。今月号の『月刊HANADA』に露伴の記事が
ありました。現代の作家にも露伴全集をしっかり読んでいる方がいると知って、
嬉しく感じました。