だるまさんの教え

だるまさんの教え

描かれている達磨は、今から約1500年前に実在しました。達磨大師(ボーディダルマ)は南インドの香至王国の第三王子として生まれ、後に中国に渡って禅の教えを初めて広めた「禅宗初祖」として尊仰されています。
達磨(ダルマ)はサンスクリット語(梵語)で、法という意味を表しています。

縁起物の置物として、また幼少の頃からの遊びの中にその名前が出てきて、馴染みの深い「だるまさん」ですが、達磨大師として実在する人物であったことをご存知でない方は多く、その「だるまさん」のエピソードで有名なのが「無功徳」です。

無功徳(むくどく)とは

無功徳とは、簡単に言ってしまえば「見返りを求めてはいけない」ということです。この無功徳には以下のようなエピソードがあります。 達磨大師がインドから初めて中国へ渡った時、大師の名声を聞き当時南中国の国主であった、梁の武帝という王が、ぜひ達磨大師に会いたいと申し出ました。この梁の武帝という王は、多くの寺を建て大勢の僧侶を庇護し育てていました。

王は達磨大師に会うと、いかに自分が仏教に帰依し貢献しているかを話し、「これほどのことをしてきた自分には、どんな功徳があるか」と達磨大師に尋ねたところ、「無功徳」と一言言い放たれたそうです。無功徳、すなわち何のご利益にも授かることはないということです。王は、きっと達磨大師が自分のしてきた行いを称讃し「多くの功徳があるだろう」と言うことを期待していたことでしょう。

しかし、その期待とは反対に、無功徳と言われ、さぞかし驚いたに違いありません。

達磨大師の無功徳の教え

人の行いとは功徳や見返りを求めるためのものではなく、「そうする心と行い」自体が大切なのです。
普段の生活の中で、人は見返りを求めてしまいがちですが、その行為をした心と行いにのみに満足することで、心穏やかに過ごせるでしょう。

医王寺では達磨画を通販にて販売しております。書道による達磨大師はとても迫力があります。縁起物として、また自分の心を戒めるためのものとして飾ってみてはいかがでしょうか。