吉田富三先生の言葉

吉田富三先生の言葉

世界的な病理学者として名高い吉田富三先生(1903~1973,明治36年~昭和47年)は福島県石川郡浅川町出身の医者です。癌研究の先駆的業績として知られる吉田肉腫には先生の名前がついております。先生が生前ご自身の手帳に書きつけられていた詩や随想が今年一冊本『蜘蛛の子よ』となって出版されましたので、その中からの文章を抜き書きして紹介します。

二つの義務

 自分の力五分、他の恩恵五分である。見方によっては、自分の力は一分、他の恩恵は九分である。すなわち人間には二つの義務がある。 
 自分の生活を全うする義務・・・この世に受けた生命を自ら尊び守り大切にして、一生を全うする義務。
 第二には社会に貢献する義務・・・自分が生きるために社会から受ける恩恵に対して、お返しをする義務。
 この二つは、実は二つに分けられるものに非ず。二にして一である。この意味の個人の生活を全うするためには、何かある技能を身に着けている事が必要である。
  (随想集六 未来ある君たちへ 「入学式の訓示から」)

  吉田富三記念館