戒は是れ・・・

戒は是れ・・・

今日は釈尊のお涅槃の日。先月より客殿の広間に大幅の釈尊涅槃図をかけて、その前で
遺教経を読誦しています。昼前にはには本堂にて涅槃会の読経をすませ、報恩感謝の
儀式をすませました。

このお経にはいろいろと大切な教えが書かれていますが、その一節を紹介してみようと
思います。

 汝等比丘、我が滅後に於て、当に波羅堤木叉を、尊重し珍敬すべし。闇に明に遇い、
 貧人の宝を得るが如し。当に知るべし此は即ち是れ汝等が大師なり。・・・
 戒は是れ正順解脱の本なり。故に波羅堤木叉と名く。・・・戒は第一安穏功徳の
 所住所たることを。

釈尊がご遺言で最初に弟子たちに言い残したことは「戒律をよく守りなさい」と
いうことでした。戒は自ら進んで悪い行為をせず、積極的にいい行為をしなさい、
ということですから、日常生活の基本的な規律や習慣をしっかり守ることが重要であると

教えられたわけです。生活習慣を磨く行為の積み重ねが大事である。そうした
行為をすることがわれわれ自身のお師匠なのだ。と、断言されています。何事をするにも
平素の生活習慣が基礎であり、土台になっているのを考えるとき、釈尊のこのみ教えの
重要性を感じさせられます。真っ暗闇でささやかでもいいから灯りがほしい。この煩悩や
不安に満ちた暗がりから脱出したい。そんな思いを抱いたときに、救いとなる一筋の
灯りが戒なのだ。そんな例えをだして、戒を守ることの大切さが説かれていますね。

佛遺教経が今日まで各宗に連綿と伝えられてきたのもうなづけられます。