楠葉だよりから

楠葉だよりから

木南卓一先生著『楠葉だより (第348信)』冒頭の文章は冬のしずかなたたづまいを綴っており
すてきな文章です。今の季節を味わうにはとてもふさわしいと感じたので、引用紹介します。

 水仙が早や一輪咲き、落葉の始った?梅の枝には蕾がふくらんでおり、南天の葉や実が
 鮮かな紅い色を呈し、冬野菜は霜後にいよいよ青く冴えているのを眺めて”目を娯ましめ、
 心を怡ばせる”もの、冬の日の一楽です。幽興という言葉がありますが、自然は深く静か
 なものであり、それを賞で楽しむ心も亦た静かなものです。そして、心が静かであってこそ

 自然の静かさを感得することが出来るというわけでしょう。慈雲尊者の法語に、

 心動ずれば山河大地も動ず。
 心動きなければ風雲鳥獣もその動揺なし。
 無心のところ、寿あり福あり。
 散乱のところ病生じ憂生ず。
 天地と共に安住して千秋万春。

とありますが、ここに、心と境は微妙密接に相応するということも思惟されます。・・・。