「大森曹玄翁夜話」を読む

六月になりましたね。月初めの一日と十五日は祝聖(しゅくしん)朝課です。朔望(さくぼう)ともいいます。月初めに
心をしきしめて油断をしないよう修行に向かう。そんな決意を自覚する日でもあります。仏教の開祖釈迦牟尼仏陀への
報恩のご回向をする日。一年は24節気ですので、ちょうど二週間ほどで四季の変化があるのと同じような感覚ですかね。

ところで最近古書店で見つけたのですが『大森曹玄翁老師夜話』(2004刊行)を読み終えたところです。
老師は臨済宗天龍寺派の師家(しけ・修行僧の指導者))として著名な方でした。

小生も28のときだと思いますが、一度だけ八王子にある青苔寺国際禅道での大接心に参加するご縁がありました。
当時は独峰軒柳瀬有禅老師のもとで参禅しており「一度臨済の接心を経験しておいたほうがいい。儂が紹介状を
大森老師に書いておいたから。」ということでした。

剣道においても一流の老師でしたが、背丈はわたしとそう変わらないお方で、相好をご覧になると「さすがに
禅匠だけあって修行された禅僧らしい」お顔でした。独峰軒老師とはお互い晩年僧として修行を成就した禅僧同志
なので肝胆相照らした道友といった印象です。この本を読んで曹玄老師の国士らしい生きざまに感動を覚えました。

無依室的翁曹玄老師とはどんな人物?