「十善業道」って?

仏教でいう「十善業道」は平たく言えば仏教を実践する信者が守るべき戒律。

そういう理解でいいでしょう。キリスト教に十戒があるように、仏教でも基本的な
戒律としてこの十善業道があります。

先日述べた慈雲尊者の「十善法語」はその講義本といってもいいものです。もちろん

それは一般大衆を前にしての現代的講義とはまったく違い江戸時代に尊者の高徳を慕った

大名の奥方を対象にしたものです。十善はふつうに身口意(しんくい)の三業(さんごう)といわ

れ、さらに身三口四意三(しんさんくしいさん)ともいわれます。
仏教信者の守るべき善き習慣という意味で使用される十善業道ですがわが宗門では
十重禁戒(じゅうじゅうきんかい)と一般に申します。

第一 不殺生戒、第二不偸盗戒、第三不邪淫戒これが身三(しんさん)です。

むやみに生き物を殺さない。物を盗まない。よこしまな性行為をしない。これらは自分の

身体でする行為です。第四不妄語戒、第五不綺語戒、第六不悪口戒、第七不両舌戒

これらは口からでる行為ですので口四(くし)と一括します。

第八不貧欲戒、第九不瞋恚戒そして第十不邪見戒の三つは意三(いさん)となります。

十重禁戒では第五が不?酒戒、第六が不説過戒、第七が不自讃毀他戒、第八不慳

法財戒そして第十が不謗三宝戒となっていて、異動があります。

いづれにせよ、この十善業道は身体に関係する三項目と口での行いを守る四項目

最後に意思といい表面に表だって現れない行為としての三項目からなるものです。