口四とは

口四(くし)について前回はなにも説明しませんでしたので、具体的にお話してみようかと
思います。口のつつしみというものはいかにも大事なことです。十善戒のなかでもそのう

ちの四項目は口に関する戒めですね。第四不妄語戒について慈雲尊者はこう説明して

おります。「万事を偽らぬことじゃ。見たこと聞いたこと。皆ありのままで事がすむじゃ。」
第五不綺語戒については「あやある詞(ことば)。正しからぬ辞を綺語と云う」とあります。

第六不悪口戒。「第六は他を侮ぬ法じゃ。」つまり相手に対して悪口をいって罵言をあびせ

たりする行為ですね。第七番目は不両舌戒(ふりょうぜつかい)。二枚舌を使って仲が良か
った二人を反目させるような言葉づかいをすることです。これを守ればお互いが憎み

あたったり、疑念をもつような関係にはならないですからね。この口業(くごう)については
古人も今の人でも重要な心構えが必要ですね。政治家の舌禍事件などはよく報道され

ていますしね。口は災いのもと、なんていうことわざもあることです。注意したいものです。