仏教で説く三毒とは・・・

「十善法語」から引用して残すのは最後の三項目。つまり第八不貪欲戒、
第九不瞋恚戒そして最後の第十不邪見戒ですね。

これらはひとくくりで三毒煩悩ともいわれます。貪欲(仏教ではとんよくと読む)

という貪りの心。瞋恚(しんい)という怒りの心そして邪見という無知な心。これら

三種の煩悩に染まったり執着してしまうのがいわゆる私たち凡夫なのでしょう。
尊者が述べられているように「貪欲は必ず苦と相応するものじゃ。一切欲ある処

として、苦ならぬはない。」ものなのですね。お経にも「諸苦ノ因ル所貪欲ヲ本ト為ス」
とあります。一応表面的な意味あいを述べてから慈雲尊者の博識と見識が玉手箱

から宝石を自由に取り出すように出てまいります。読み進むにつれて頭が自然に垂れて
きてしまいます。ご自身の境涯を自由自在に横説縦説する尊者の深い慈悲心が凝縮

されているのが、十善法語です。同じ目と鼻を持つ日本人なのにどうしてこんなに違う
のでしょう。さすがに日本の小釈迦と尊崇される大和尚さまです。