いわき市勿来関文学歴史館では春の企画展開催中。昨日は暖かいことでもあり、大学生の娘も帰省したので
勿来まで出かけてきました。
勿来(なこそ)の関は和歌の歌枕でも全国的によくしられた和歌の聖地といってもいいほどの桜の名所です。
昔は名古曾ともかかれていたりします。
勅撰和歌集の版本の数々を直に観ることができていい刺激になりました。マナ序とカナ序といって二種類の序文が
ついているのが勅撰和歌集です。話はちがうけど、タレントのマナカナ姉妹の名前はこれを意識して名づけられた
かもしれないですね。宝塚のスタ-の名前が源氏物語から採られていることなども、以前聞いたことがありますから。
真名序は「まなじょ」で漢文での序文。仮名序はもちろん変体仮名などで書かれた序文のこと。勅撰和歌集には
21集もあることなんて、初めて知りました。入場客は私たちだけだったので、ゆっくりと鑑賞できたのは幸いです。
古今和歌集の仮名序は感動的な文章ですし、わたしも何度読んだかしれません。それを紹介します。
やまと歌は、人の心をたねとして、よろづのことの葉とぞなれりける。
世中にある人・こと・わざ、しげきものなれば、心におもふ事を、みるもの、きく物
につけていひだせるなり。
花になくうぐいす、水にすむかはづのこえをきけば、
いきとしいけるもの、いづれか歌をよまざりける。
ちからをもいれずしてあめつちをうごかし、めにみえぬおに神をもあはれ
とおもはせ、をとこ女のなかをもやはらげ、たけきもののふの心
をもなぐさむるは、哥なり。
いかにも穏やかで平和な春の季節にふさわしい仮名序とおもいます。