「古人刻苦、光明必ず盛大なり」とはよく知られた禅語です。白隠和尚もフト手に取った『禅関策進』
という禅書にであったことで、これからの自分の為すべきことを強く自覚したということです。
無造作に手に取った一冊の禅の語録が若くて悩み深い青年僧の魂を奮い立たせたのでした。
書物との出会いがその人の人生をガラッと変えてしまう。そういう経験は禅僧のみならずどなたに
でも起こり得ることですね。
小生も大本山永平寺専門僧堂に勤務していた当時、この『禅関策進』の講義をしたことでした。
現下の宗侶がお布施をもらう生活のための読経回向だけで満足していたら、ホントにもったいない
ことです。白隠禅師若かりし頃の求道の逸話として広く禅道場ではしられています。
いくつになっても、自分を鞭打ちながら努力を重ねることが大切です。慈明和尚のこの逸話で
修行に発憤した禅僧は古来より多いです。