障子が簾に

今月に入ってから和室の模様替えをしました。お茶の稽古をする12畳の和室はすっかり
夏模様に替りました。冬季は障子で廊下との仕切りをしておりますが、夏場はそれを
簾に取り換えることにしています。

昨日は香道の月稽古でしたので、夏のすずしい装いのなかで十?香(じっちゅうこう)という
組香をしました。今月からの参加者もあり、楽しいひと時をすごすことができました。

日本の伝統家屋は襖と障子で空間を仕切っているのが特徴です。此の簡素な材料で
部屋を仕切るというのは独特ですね。西洋が石造りを主体とするのとは全く異なる
建築法です。これは亜熱帯気候のわが国の事情によるものでしょう。

六畳に仕切っていた部屋の襖を外せば簡単に十二畳に拡大して広間になります。
自在に変化することができる融通性は日本過酷の特徴ですね。

カ-テンで太陽光を遮断しなくとも鷲を張った簡単な障子で光を和らげる。そんな絶妙
な仕切りなんて西洋家屋には耐えてないでしょう。

日本文化の融通性はこんなところにも表現されているわけですけど、欧米建築から眺めれば
仕切りは毀すことの出来ない壁によって完全に遮断されているわけで、これはちょっとした
驚きかもしれません。

部屋が夏模様になり、本格的な夏到来といった感触です。