青磁の魅力

大阪市立東洋陶磁美術館では北宋青磁の特別展を開催中です。今月26日まで。今月は大阪に出かける月

なのでそこを訪ねることにしました。知人からの情報がなかったなら得難いチャンスを逃がすところでした。
台北国立故宮博物院の秘宝汝窯青磁水仙盆です。
青磁でも高級なものは官窯とされ、庶民には無縁の皇帝の為の高級ぜいたく品でした。青磁の最高級品は特に
秘色青磁(ひそくせいじ)と言われています。

「秘色の秘は禁秘の秘である。・・・」と露伴先生の名随筆『秘色青磁』にあるとおりですね。ひさしぶりで
書庫から『故宮博物院全15巻』を取り出して改めて青磁のことを勉強したことでした。

汝窯青磁はなかでも特に品位が高くあの名状し難い青みがかった美しさはさすがに絶品にふさわしいものでした。

乾隆帝の有り余るほどの壮大な量のコレクションでも特に愛玩されていた水仙盆のようです。
素晴らしい作品を国内でみることができましたし、『秘色青磁』(幸田露伴著昭和18年作)を
再読して読書まで楽しむことができました。わが国で秘色の文字は源氏物語やうつぼ物語に出ている、との
露伴の指摘はさすが文豪による該博な知識を証拠だてるものでしょう。

大阪市私立東洋美術館