感動した産経「オピニオン」コラム

竹内洋(社会学者、関西大学東京センタ-長)のオピニオン『「昭和的職人気質」を見直そう』を読んで
我が意を得たり、と感動しました。いい記事を書いていただいたので胸がスッキリ。(1月29日朝刊12版)

小生も限りなく昭和を肌にまとった人間なのだと改めて自覚した次第です。感心した箇所を抜粋して
紹介しておきます。・・・ある高名なピアニストがこんなことを言っていた。

 「あなたは才能(能力)があるから有名になったのだ」と言われるとすごく心外 になる、と。
  自分は一日のほとんどを、ピアノを弾くことに費やしている、ほとんどが努力なのだ」

 目に見えるほどの熟達や改善ではないのだが、かすかな兆しを見逃さなくて、そこを
 大事にしていくのである。・・・日々の努力に、仕事の出来上がりのよさを実感しながら、
 それを喜びとしてさらに熟達に励むということだろう。・・・そう、かつての日本の職場
 にはこのような非凡なる凡人が少なからずいたのではないだろうか。

 「職人気質」とか「職場の生き字引」とかいわれる人々である。かれらの仕事へのモチベ-ショ

 は「気持ちを入れる」とか「こだわり」とかで表現されるものである。ここらあたりに

こそ日本人の勤勉の本領があったはずである。それは、仕事に励み、その改善、
 向上に喜びを見出していくものだが、「私の仕事でのこだわり」といった言葉で表現さ
 れるものだろう。このような昭和的勤労文化を日本人のすぐれた資質として見直し、
 存続させることが大事なのではなかろうか。