風外老師の「高閑録」

幾度死兮幾度生  幾度か死し 幾度か生ず

生生死死夢中生  生生死死 夢中に行く

使令惺覺乃知夢  たとえ惺覚して 乃ち夢と知るも

亦是夢中瞬息榮  亦是れ夢中 瞬息の栄

この漢詩の題は「夢覚有感」(夢覚めて感あり)です。人生は一場の夢。そんなことを

よくいいますが・・・。風外老師は江戸中期に活躍した曹洞宗の禅匠です。画をこよなく愛し

宗門第一の画僧ともいわれるほどでした。本分の禅僧として門下からは幕末・明治にかけて

の代表的な禅僧を数多く輩出しました。猫を愛していたので、トラの画を書いてもなんとなく

かわいがっていた猫のようだ、なんていう評判もあります。提唱ではよく「碧巌録」を

講義され、いまでもその優れた禅僧の名をほしいままにしています。