今月の安藤綾信宗家による組香(くみこう)は宇治山香でした。
お試し香として五種類の香をきいてから、一種のみ炊き出したのを嗅ぎ当てる
組香です。ひとつのみとあるのは、六歌仙にでてくる喜撰法師の和歌は「古今集」
にただ一首のみ採用されているからにほかなりません。
その歌は”わが庵は 都の辰巳 鹿ぞ住む 世を宇治山と ひとはいふなり”です。
作者である喜撰法師の生没年は不詳です。いかにも出家らしいですね。
この歌以外にもたくさん詠んだでしょうけれども、現在知られているのは
この一首だけです。
宇治山香は組香を習い始めた初心者が楽しめるものです。