是の一番、寒・骨に徹するにあらずんば、争でか梅花の編界に
香しきことを得ん。(永平広録)
立春をすぎてからの大雪のニュ-スが連日報道されています。
明日は立春から二週間が過ぎて、雨水となります。
それにしても、積雪とな無縁であった太平洋岸での雪景色には
驚かされっぱなしです。境内も30センチほど積もっていましたが、
昨日、今日の天気でほとんどの雪がなくなりました。その間外に
出歩かないで、読書をしたりしたことです。愛読している「楠葉
だより(第289信・木南卓一著)に紹介されている和歌などは
とてもいいものですので、ここに写してみます。
いづかたに あくがれ出でむ 梅が香の そことも知らぬ 春の夕風
うぐひすの 都にいでん 中宿に かさばやと思う 梅咲きにけり
鶯は みやこに出でし 山里に うめひとりこそ 咲きにほひけれ
和歌もいいですが、元政上人の漢詩もすばらしいですね。
靄然たる和気・悲歓を忘れ、花に逢うては自ずから覚ゆ心の安楽、
満院の春風吹いて寒からず
大雪情報もしだいに薄れて本格的な春の陽気がまちどおしいですね。