大本山永平寺の近くには温泉が豊富です。芦原温泉をはじめ、山中塗りで知られる山中温泉その隣続きに
ある山代温泉それに片山津温泉とどれも車で30分くらいでいけてしまいます。先日の永平寺参拝をすま
せて、山代温泉をのぞいたところ、新しい発見がありました。山代温泉にあの有名な魯山人が食客として
滞在していた寓居が存在しているんです。その名を「廬山人寓居跡いろは草庵」といいます。大正4年の
夏から秋にかけての数か月をこの別荘に過ごしながら、刻字の看板製作を依頼されたり、作陶のてほどき
を受けたりした。そういう意味で後日魯山人となる原型の機縁がこちらで結ばれたことになるんですね。
草庵はこじんまりとしてはいますが、しっとりとした和風建築です。庭の苔や花木などにも情趣があって
楽しめました。その当時は魯山人と名乗るまえで福田大観といっていたそうです。現在魯山人といえば
食通家としてまたその書も独特のものがあり、陶芸作品などは骨董市で高く評価されており、人気も根強いものが
あります。めったにみれない魯山人の大きな刻字作品を見れたのもうれしいことでした。