般若は知恵ということ

般若とは仏教語で「智慧」と翻訳されています。通常の頭がいいとか記憶力がずば抜けている。そういう意味
ではありません。人間の迷いの元は分別(ふんべつ)といっています。あれやこれやといつも考えながらの生活
をしているのですが、それが嵩じて収拾のつかない悩みが生じてくるものです。

これを妄分別といいます。般若はそうした通常の思考作用を超えたものです。一切の分別を断ち切ってしまう
力があります。一般的に私たちが考えることは最後には行き詰まってしまうことが多々ありますが、
般若の知恵の力があればそれを乗り越えることができるとされます。

どんなに理性的にまた合理的・論理的であってもいづれは行き詰ってしまう。そんな人間の分別知(ふんべっち)
を超えたところに光るのが般若の知恵です。祈祷の儀式ではその名の通り大般若経典の一部を

参加する住職たちが転読(てんどく)します。なかなか勇壮な儀式です。