「出雲の風外さん-来雲200年記念画禅一如 出雲での足跡」鑑賞の旅については前回述べておきました。
その会場となった出雲文化伝承館がこれまた素晴らしい展示施設であると同時に見事な茶室も完備
していたのには驚くとともに感激してしまいました。というのも茶室『独楽庵』が復元されていたからでした。
出雲地方の松江といえば茶の湯に関心のある向きにはとても馴染みのある地名です。あの史上有名な
大名茶人松平不昧公の領地ですもの。松江七代藩主松平治郷(不昧)は政治家としても名のある大名
でもありますが、なんといっても茶道の世界では不昧公という名のたくさんの茶道具などで馴染みがあり
ます。この不昧という茶名はじつは若い自分に参禅してそのお師匠様から許された居士号なのです。
禅の古典『無門関』にある「百丈野狐の話」にでてくる公案を透過したさいにいただいたもの。10代から
始めた禅修行で得たその境涯が偲ばれます。
独楽庵の入口です。
とても素敵な露地です。灯篭の種類が多く、時間がたつのを忘れてしまいそう!
この部屋でお抹茶を一服所望しました。お軸は相国寺 退耕老師筆「心外無別法」
とても豊かで静かな時間でした。