「正法眼蔵随聞記」からの抜粋です。
住持長老なればとて、乱に衆を領じわがものに思ふて呵嘖するは非なり。
況や其人にあらずして、人の短処を云ひ他の非を謗るは非なり。能々用心
すべきなり。他の非を見て悪しヽと思ふて慈悲を以て化せんと思はヽ、腹
立まじきように方便して、傍ら事を云ふやうにてこしらふべきなり。
若いころ雲水として、大本山僧堂にて修行していた当時を回想すると、道元
開祖の親切な教えが身に沁みます。たとえリ-ダ-としてその部署の地位に
いても、部下をわがもの同然に扱ってぞんざいな罵言をすべきではない。
また、そうすべき立場でもないのに単純に他人の欠点や短所をあげるらうの
はやめなさい。ざっとこんな意味にとらえられます。開祖の「能々用心すべきなり」
という言葉には重みがありますね。きっと、道元さまもこの点ではさまざまな
体験があってのことなんでしょうね。わたしなども短腹な性格なこともあり、
耳が痛い御文章です。
昨年二月には境内が白雪に覆われていたんですね。