隔月刊の雑誌「Discover Japan新年号」をツタヤで見つけました。なんと禅の特集でした。
サブタイトル「ジョッブスもイチロ-も世界の成功者は、なぜ禅に夢中になるのか?」とあり、
手に取って拾い読みをしちゃいました。
安倍晋三首相もときどき坐禅に通っているそうです。赤バットで有名だった川上哲治監督や中曽根元首相
なども坐禅体験をしておりましたね、そういえば。イチロ-が坐禅したことは耳にしたことはないけど、その
ふるまいはなんとなく禅僧のような感じを受けます。シンプルで深い。野球に対する考え方や実行力を覗いた
だけでも納得してしまいます。世界中に禅を弘めた多大な功労者の禅思想家鈴木大拙は100冊もの著述があり
英文の著書も30冊以上あります。10代に留学高校生として渡米した当時の私はDTSsuzuki著「The Studay
of Zen」をむさぼるように読む哲学青年でした。当時はまだ出家のことは念頭になかったんですけど。
大拙全集が刊行されてからはよく読んで、出家当初はその強い影響下にあったことなどを思い出します。
アップル創業者のスティ-ブジョブスは曹洞宗の禅にほれ込んだ人ですが、そのお師匠さんとの出会い
なども20代にありました。欧米では弟子丸泰仙老師が禅のパイオニアとして有名な曹洞宗の禅僧です。
この方とは20代後半に恩師である柳瀬有禅老師と御一緒したとき、東京の三笠会館で初対面したことが
あります。彼は私が雲水修行していた昭和49年ごろにフランス人の弟子たち20数名をひきつれて大本山での
研修にきておりました。サンフランシスコ禅センタ-の御開山として有名な曹洞宗の禅僧鈴木俊隆老師
には生前お会いする機会がありませんでしたが、その弟子の鈴木俊一老師とは面識があります。俊一
老師は俊隆老師の実子で嗣法の弟子です。私が大本山で単棟職として雲水たちの教育をしていた後
やはり単頭として本山に就任し、その後永平寺のナンバ-3である教育の最高責任者の後堂老師として
活躍されました。あれこれ回想してみると海外布教に御縁のある老師方との出会いがあったのは
出家当時のそのころは自分自身海外伝道を夢みていたからなのかもしれません。