永平高祖御垂訓

わが曹洞宗では毎朝のお勤めは朝課と称しております。お経としては観音経、般若心経、大悲心陀羅尼

如来寿量品偈(じゅりょうほんげ)などを読誦します。禅宗なので歴代祖師のなかでも特に石頭禅師の「参同契」(さんどうかい)

と洞山大師の「宝鏡三昧」(ほうきょうざんまい)と読誦します。宗門にとっては偉大な御祖師さまであります。

石頭洞山は中国の祖師ですが、その流れを汲んで禅の心をわが日本に伝えたのが高祖です。

現在の大本山永平寺御開山です。鎌倉時代の方です。

その教えはすばらしいもので、著述もたくさんあります。内容は禅の研究論文であったり、ご自身の坐禅体験を

率直に述べたり、教団として必要な様々な生活規定を書き残されております。

今日の宗門はひとえにこの永平高祖の御遺訓に沿うようにと考え、こんにちまで、連綿と800年余続いて

きています。その高祖の大切な教えをまとめたのが「永平高祖御垂訓」です。
黄色い表紙の経典ではありますが、修行を志す僧侶にとっては需要な教えがちりばめられており、ときどき

ですが、朝課の代わりに読誦します。

そのなかでもありがたい教えとして「発菩提心」(ほつぼだいしん)があります。次回はその内容につき述べたいと

思います。